Podcast #85 句集偏愛 -手前勝手に読み耽る-「獣の時間」Vol.2
- アンジェリカ事務局

- 12月5日
- 読了時間: 1分

ふたりの勝手な偏愛でお届けする「句集偏愛」シリーズ。
今回取り上げるのは、一家汀さんの句集『獣の時間』、後編です。
六章から成る句集のうち、
Vol.2では後半の三章
🧩「つぎはぎ」
✉️「二〇二三年九月二十日」
🌱「おずおずと」
に焦点を当て、
・自分との格闘
・書くことによる再生
・過去を赦し、前に進むこと
といったテーマから、印象的な句を紹介しています。
絶望という名の誘蛾灯ともる
幻は私が私だった日々
癒しとは どこにも繋がらない電話
諦めるために過去へと書く手紙
傷癒えていく時の寂しい私
亡母と音重ねドッペルコンチェルト
ねじり花わたしの生も美しい
痛みや喪失を描きながらも
そこに残るやわらかな光と音を感じさせる句たち。
句を読むというより、
“自分の中の静かな時間”をすくい上げるような配信回です。
生きている 短い紐を結び継ぎ
広い広い空を切り裂くとき無敵
リボンひらひらSOSを叫んでる
透明な体に嘘という背骨
座りたくなかった生き残りの椅子だ
人形の目が美しく死んでいる
有罪と一斉に言う百の月







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