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Podcast #85 句集偏愛 -手前勝手に読み耽る-「獣の時間」Vol.2


Podcastアートワーク

ふたりの勝手な偏愛でお届けする「句集偏愛」シリーズ。

今回取り上げるのは、一家汀さんの句集『獣の時間』、後編です。


六章から成る句集のうち、

Vol.2では後半の三章


🧩「つぎはぎ」

✉️「二〇二三年九月二十日」

🌱「おずおずと」


に焦点を当て、

・自分との格闘

・書くことによる再生

・過去を赦し、前に進むこと

といったテーマから、印象的な句を紹介しています。



絶望という名の誘蛾灯ともる

幻は私が私だった日々        

癒しとは どこにも繋がらない電話 

諦めるために過去へと書く手紙   

傷癒えていく時の寂しい私

亡母と音重ねドッペルコンチェルト

ねじり花わたしの生も美しい



痛みや喪失を描きながらも

そこに残るやわらかな光と音を感じさせる句たち。


句を読むというより、

“自分の中の静かな時間”をすくい上げるような配信回です。



生きている 短い紐を結び継ぎ

広い広い空を切り裂くとき無敵

リボンひらひらSOSを叫んでる

透明な体に嘘という背骨

座りたくなかった生き残りの椅子だ  

人形の目が美しく死んでいる    

有罪と一斉に言う百の月








 
 
 

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