Podcast #84 句集偏愛 -手前勝手に読み耽る-「獣の時間」Vol.1
- アンジェリカ事務局

- 11月28日
- 読了時間: 1分

アンジェリカPodcast最新話は、河野潤々と藤田めぐみが「好きすぎて勝手に読み耽る」句集を紹介する「句集偏愛」シリーズを引き続き。
今回からは、一家汀さんの川柳句集『獣の時間』を2回に分けて取り上げます。
この句集に通底するのは
痛みを正面から見すえるまなざしと
それでも言葉で結ぼうとするひたむきさ。
六つの章のうち、Vol.1では
🕊️「夜の鳥」「透明」
🤝「綱引き」
の三章に注目し
・自分自身を極限まで見つめる句
・他者との距離に生まれる葛藤
・言葉のかたちでしか語れないこと
といった視点から、印象的な句を紹介しています。
生きている 短い紐を結び継ぎ
広い広い空を切り裂くとき無敵
リボンひらひらSOSを叫んでる
透明な体に嘘という背骨
座りたくなかった生き残りの椅子だ
人形の目が美しく死んでいる
有罪と一斉に言う百の月
読むというより、
そっと触れるようにしか受け取れない句たち。
だからこそ、声に出して語る意味があるのでは――
そんな思いでお届けしています。
次回Vol.2では、後半三章をめぐって語ります。
どうぞお楽しみに。






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