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2025年7月1日
2025年7月

星月夜ひとり遊びをする海月
くるこないくるこないくる「そうきましたか」
はじめての駅であげまんに出会う
須藤しんのすけ
さしすせそ指はどこまで酔ったふり
樹木葬なんとなく石を集めん
洗面水で溺れうる呼吸法
旅男
花拾うメイの影だけ攫われる
雨の一部のきりんのきれいな足首
じくじくと苦い夏はくしゅと潰す
西山奈津実
クリームの濃淡に夜を込めている
折ればみんな飛んでゆくからだいじょうぶ
レース編む ふり向くためのおまじない
温水ふみ
黒鍵を選んで歩きたい白夜
崖にある音階 きみのそばかす
素顔にはレモンを少しかけておく
飛和
芸事のひとつ綺麗な忘れ方
走れたよレースのたすき繋いだよ
雨も霧もあなたの曲になりました
藤田めぐみ
ショットバー雨の匂いを連れてくる
さやさやと風がささやくから素足
乾かないシャツも涙も 捨てたまま
峯島妙
ため息が飲み干しているラテアート
角砂糖ほどの試練を越えられぬ
コーヒーの白い器にある孤独
伊藤良彦
煮崩れて弁当の隙埋めている
ねじ巻きの小鳥は私より自由
イマジンを聴きながら アジ焼きながら
菊池京
新聞は所属牛蒡のあくめろう
上りの途中が好きな助手席のシミ
水素水飲むから粋を卆業す
河野潤々
あじさいのア ロマミストにまざる嘘
もち麦のリゾット日頃のメゾッド
宵待ち草と水の時間を引きのばす
斉尾くにこ
精いっぱいの灯 紫陽花の雫
サイレント・ミャー18歳になったネコ
革命を口癖にしてモツ煮込み
笹田かなえ
話すため降りてきました架空から
破られた殻は母親だったのに
白亜紀に滅びなかったテレビ石
鈴木雀
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