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​川柳で踊らせて

​アンジェリカ会員&藤田めぐみ

2024年8月15日

#Act 4

牛とおいらとまきばの放屁 はるか


旅男

牧場(ぼくじょう)ではなくて、まきば。

まきばという語感からすると

草原はただ広く広く続く

おそらく日本の山ではないだろう。

たとえば、アルプス。


どこまでも広く高くひらけていく空と草原。

「牛」と「おいら」は生き物として、もう一緒。


おいらが澄み切った空気を胸いっぱい吸う

それにいいねというように、牛が鳴く。


そして深呼吸したその空気は

ごく自然に放屁となって地上に還る。

牛もおいらも、吸って吐く、声をあげる

放屁する、生きている。


息も放屁も鳴き声も

どこまでも、はるか拡散していき

自分の生命力は、まだこんなに

力強い鼓動を持っているんだと


アルプスの空の下

からだいっぱい、いのちいっぱい。



Text/produced by FUJITA Megumi

川柳アンジェリカロゴ
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