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​川柳で踊らせて

​アンジェリカ会員&藤田めぐみ

2024年11月15日

#Act 10

バーチャルなからだがほしいビデオ4


鈴木 雀


「ビデオ」が、ビデオデッキでも、またはビデオテープでも

いずれにしろ、感覚としては遺物という感じだろう。

かつて「ビデオ」に刻まれた無数の記憶たちは

この地球上から、物理的に消えようとしている。


そのビデオが抱えている記憶たちは

消されることを必死で拒む

泣いていたよ 怒っていたよ 愛していたよ 生きていたよ

記憶の一つ一つの入れ物は

血が流れている「からだ」を持っていたのだ

人間という、からだ。


でも、「ビデオ」は消える デッキごとテープごと。

だからどうにかして記憶は

せめて「バーチャルなからだ」に宿って

これからも生き続けたいと願う。


バーチャルなからだとは

ネット空間にアメーバのように無限に広がっていくものか

それとも、そっとただ一人のためだけに捧げられるものか

それはわからないけれど


ふと足元をみると

どこからか転がり落ちてきたビデオテープに

「No.4」の文字が、秘めやかに発光している。



Text/produced by FUJITA Megumi

川柳アンジェリカロゴ
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