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2026年9月
スイスにかぶれ自然を見失うとこだった
トレイルでふむふむ思慕のギザギザ
サヨコには紅い月など待つ微熱
旅男
っていうけど口裏合わせ星はしない
ミディアムレアで届いた吉本ばなな
形状記憶で空は生きているのよ
西山奈津実
サーカスはゆうれいの指ごしに見て
引き取ります不要なチョコムースなら
等分にできたらこんなに泣かない
羽風ふみ
折り畳み傘に寝顔を忍ばせる
値引きシールの代わりに足してゆくリボン
フィナンシェを口癖にして生き延びる
飛和
はぐれないようにと舐めている突起
ハイボール薄まるまでの執行猶予
水漏れが止まない熟れてゆく不実
藤田めぐみ
夏ヒカルぶちまけられた打ち水に
口紅がやっちまえよとそそのかす
包帯を真っ赤に染めている別れ
峯島妙
空を飛ぶ夢は捨てても羽根はあり
通行人A B Cとして生きる
額縁に今日のカレーを閉じ込めて
伊藤良彦
いい人でいる群青のワンピース
透明の時が流れてゆく屋台
鉤裂きの夜を手洗いして眠る
菊池京
花空木行きも帰りも一両 車
トロピカルフルーツ近況は知らず
夕間暮れ勿忘草の短編集
斉尾くにこ
何の役にも立たなくてほうずき赤い
ネコの命はネコが決めます悪しからず
茱萸熟れる誰のものでもないままに
笹田かなえ
鳥笛を吹く猫たちを引き連れて
お金を洗う非正規ルート
日和見をやめて象牙の首さする
鈴木雀
手をあげただけで陽キャに入れられる
ルージュひく抱かれた夜の失くし方
薄〜ぃ水割りお役所から届く
須藤しんのすけ