top of page

せんりゅう、ごちそうさま

笹田かなえ

2026年4月1日

くねる2025 限定復活

薄い本

「くねる2025 限定復活」は、昨年のおかじょうき川柳社の大会「ステーション」で会った妹尾凛さんからいただいた、多分川柳誌(?)です。(?)をつけたのは、いつも手にする川柳誌とは大分趣が違っていたからです。


妹尾凛さんから、「くねる」の成り立ちを聞きました。


「くねる」の最初の発行は2008年。2011年の6号まで発行して終了となったそうです。メンバーは石川街子さん、妹尾凛さん、種田淑子さん、八上桐子さんの4人です。


今回の「くねる2025限定復活」、どんな内容なのかご紹介させてください 。

目次もバラエティーに富んでいます。

目次の順に抜粋して書かせていただきます。



まず各自の川柳作品である〈くねる川柳〉では、4人が10句ずつ発表しています。その中から各3句ずつのご紹介です。


思い出にいつも汽笛が混じってる  

石川街子


虫籠で鳴いているのは凩  

石川街子


晒されて今流木の風の色  

石川街子


雨の降る音完璧なゆで卵  

妹尾 凛


オーボエのための三日月ペペロンチーノ  

妹尾 凛


森羅万象さらにソースからめる  

妹尾 凛


天国へ続く手摺の無い螺旋  

種田淑子


(種田淑子さんは川柳5句と詩を一編の掲載でしたので、詩もご紹介いたします)


〈くねる詩〉種田淑子

転生


前(さき)の世は水かも知れぬ 通り雨

風かも知れぬ 空っ風

路地を彷徨う迷い猫

空に浮かんだ千切れ雲

それとも

やはり前(さき)の世も女(ひと)かも知れぬ 君を恋う  


わらわないように冬瓜抱いている  

八上桐子


ころがしたついで冬瓜撫でまわし  

八上桐子


冬瓜煮る母はあかるくさびしがる  

八上桐子



〈くねる題詠〉では「白と黒」と「アルファベット」。

それぞれ面白いのですが「黒」を書かせてください。


「黒」


影法師忘れていったやつがいる  

街子


乾いた月と十二番目の烏  


漆黒の涙夜を飲み込んで  

淑子


しっとりと夕べの獏の食べこぼし  

桐子



〈くねる題詠 コラージュ川柳〉は面白いページでした。

多分、チラシや何かの言葉の部分を切り取って5,7,5に仕立てたのだと思います。

現物をお見せでないのが残念。



〈くねる死ぬとき〉は本田洋子さんの名句「死ぬときはびわこになると思います」をリスペクトして、それぞれの本句取りの句とショート・ショートも。


死ぬときは海月になると思います  

街子


死ぬときは卵になると思います  

淑子


死ぬときは栞になると思います  


死ぬときはくぼみになると思います  

桐子



〈くねるしゅう活〉と題してのエッセイ風なお話。

くねるメンバーのそれぞれの「しゅう活」は、「しゅう」をどう捉えるかでまるで違ったものになっています。「しゅう活」、楽しく読ませていただきました。ちなみに、それぞれのタイトルです。


「臭活」 石川街子  

「習活」 妹尾 凛  

「集活」 種田淑子  

「羞活」 八上桐子



〈くねるなんじゃ もんじゃ〉のページは、今自分が表現したいことのページでした。詩や日記、お笑いの台本風そしてXに流れる川柳をピックアップしての感想など。



最後は〈くねる一語摘み川柳〉。

一語の扱い方がそれぞれに的確で、一句としても十分成立する一語摘みでした。



以下に「くねる」のことを妹尾凛さんからお伺いした時のお話を掲載させていただきます。


「最初の「くねる」を発行したのは、2008年でした。

4人が初めて会ったのは、2007年10月の川柳句会の打ち上げで、年齢も近く、川柳を始めてまだ3・4年程度で、なんだか気が合って4人で忘年会を開きました。

そのとき、せっかく川柳をやっているんだから、川柳のミニコミ誌を作ろうと、勢いで、コピー雑誌を作りました。

昔の女性センターの印刷機で、両面印刷して、束ねてホチキスで止めて

全くの手作り。

それが、2011年、3年間で6号まで発行して、終了となりました。

軽いノリで初めて、軽いノリで終了。


2025年、またまた句会の打ち上げで集まった勢いで、「くねる」復活の話題がでて、私は秋田にいたのですが、Lineで連絡が来て、「いいよ」と答えて、それで復活が決定。

意見交換も原稿提出も、一語摘み川柳も、全てLineだけで、作りました。

相変わらず、ササっと出来る時と、なかなか出来なくて、締め切り延長したり。

4人とも、依然と変わりなく、マイペースで、それも、楽しかったです。


凛さんのおっしゃるように、おしゃべりが聞こえてきそうな冊子でした。みんなでワイワイ楽しそうに、書いて印刷してとの感じが伝わってきました。

それぞれの個性が響きあい、好きなことを好きなようにやるのは楽しいだろうなって感じたことでした。

それは、色とりどりの鮮やかさにころんと愛くるしく、噛めばさくりと歯ごたえがありながらクリーミーな舌触りが癖になる、マカロンの味がしました。

せんりゅう、ごちそうさまでした。

川柳アンジェリカロゴ
bottom of page