#Act 27

暗闇がコーラに変わるまで待って

飛 和

真夜中のベッドで、目を見開いてるんだね。

部屋の灯りはつけず、スマホの光だけが揺れる

ねっとりと、暗闇が体にまとわりついてくる

重たくて、深くて、どこまでも沈んでいくよう

息を潜めて、体を固くして。

でも

暗闇の中にいたって

それがずっと続くわけじゃない。

そのうちに、なんとかやり過ごしているうちに

きっと少しずつ変わっていく。

ほの暗さが、甘くて冷たい泡になって

何かをほどいていくんじゃないかなって

コーラの蓋を開けるときの

あの一瞬の音のような救いを

トンネルの先にある、炭酸のような光を

私たちはそれぞれの夜の中で

信じているのかもしれないね。

だから、待って、もう少し

暗闇がコーラに変わるまで。

Text／produced by FUJITA Megumi